これから塾に通おうと思っている中学生やその親御さん、また、塾でアルバイトを考えている方に参考になればと思い、個別指導塾の裏側を書いていきます。
私の教室長時代
私は、アルバイトも含めると塾業界で約10年働きました。
内訳としては、最初の2~3年間はアルバイト講師、それ以外の7年間は教室長として教室運営でした。
経験としては、とても長いというわけではないですが、それなりかと思います。
講師の時期は、生徒とのコミュニケーションを取ることがとても楽しかったです。
教室長になると、相手が生徒+保護者となってきます。
基本的に三者面談中心の毎日となりますので、授業をしたくなることが多々ありました。
それでも保護者の方と打ち解けられると、面談も楽しくなります。
私は、成績を上げることももちろんですが、とにかく「中学校時代にきちんと勉強した」という経験を生徒に作ってあげたいと思っていました。
大人になって「あの時もっと勉強しておけば良かった」と思わせないこと、「あの塾に通って良かった」と思ってもらうことを中心に考えて働いていました。
アルバイトをしようと考えている方へ
今、アルバイトを探そうとしている方もいらっしゃるかと思います。
その中で、どのアルバイトが良いのか悩まれている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、個別指導塾の講師は、アルバイトとしては楽な部類に入るのではないかと思います。
私は大学時代、飲食店でアルバイトをしていましたが、正直言って、きつかったです。
塾の場合は、すでに身に付いている知識を生徒にどれだけ理解してもらえる指導をするので、新しいことをたくさん覚えていかなければならないアルバイトに比べると楽です。
学力に自信がある方には、選択肢の1つとして良いと思います。
また、就職活動でも塾講師の経験は良いイメージを与えるようですので、一石二鳥ではないでしょうか?

講習時期は大変だけど、集団塾に比べると個別指導塾は良いよね。
これから塾に通おうとしている生徒・保護者様へ
違う記事でも書きましたが、塾はその教室によって全く異なります。
特に、フランチャイズであればその傾向が強く出ます。
なぜなら、フランチャイズはその会社によって、やり方が変わってきます。
基本的な考え方は同じですが、地域によって使う教材が変わってきます。
また、私が働いていた個別指導塾は1教室に対して社員は1名です。
たまにお偉いさんが来て、教室の状況を話したり、相談に乗ってくれたりしますが、基本的に1人です。
管理する人は居ません。
講師や生徒が来るまでの間、真面目に生徒の事を考えて仕事をしている人がほとんどかと思います。
しかし、そうでない人も居ます。
自由度が高い分、誰も居ない間、何もしない人が出てくるのは当然と言えば当然です。
ひどい教室だと遅刻が日常茶飯事です。
生徒が来る前に、教室に居れば良いわけですから…
そこで、簡単ではありますが、私なりの良い塾の見分け方を書きます。
①生徒数が多い教室
②環境整備に力を入れている教室
③教室長が信念を持っている教室
です。
①生徒数が多い教室
単純に生徒数が多い教室は、成績が上がる教室だったり、面倒見の良い教室が多いです。
生徒数が少ない教室は生徒に人気が無い教室になるので、成績が上がらない、教室が生徒を見ていない場合が多いです。
なるべく生徒数が多い教室を探しましょう。
ただし、生徒数が多いとうるさくなる教室がありますので、そこは注意しましょう。
②環境整備に力を入れている教室
環境整備とは、教室の掃除が行き渡っているかどうかです。
机が奇麗かどうか、掲示物が曲がっていないかどうか、スリッパが奇麗かどうかなどを見てください。
細かいところまで奇麗であれば、その教室は生徒の細かいところまで見ていると言えるでしょう。
③教室長が信念を持っている教室
ここが一番重要になってきます。
生徒の事をどこまで考えてくれるか、この教室長になら子供を任せたいと思う教室を選びましょう。
最初の面談時に細かいところまでヒアリングをきちんとする教室を選んでください。
①~③まで書きましたが、私個人的な意見です。
参考程度に考えてください。
個別指導塾には無料体験授業がありますので、必ず受講してから入塾するかどうかを考えましょう。
講習時の教室長の考え方
個別指導塾では、生徒が長期休みに入る前に三者面談を行います。
もちろん、普段の生徒の様子を伝えるためですが、それ以外にも夏期講習や冬期講習を提案するためという理由があります。
個別指導塾での講習は、コースがあってないようなものです。
その生徒の成績によって、どれぐらいの授業数をしなければならないか変わってきます。
講習費は塾にとって大事な収入源となりますので、売り上げの目標を掲げさせられます。
この目標を達成すれば上司からは暖かい目で見られますし、達成しなければ何故達成できなかったのか反省させられます。
この辺りは教育業界である塾が、教育業界とはかけ離れた世界にあると私は感じています。
おそらく目標としては全体の売上目標はあるのですが、生徒一人あたり講習〇〇コマを受講してもらうという目標もあるはずです。
例えば1コマ3,000円(税抜)の塾で、5教科各10コマ受講してもらうとなった時は、3,000円×50コマ×1.08=162,000円となります。
このとんでもない費用を各ご家庭に提案していくことになります。
私は、生徒の弱い教科や単元を克服するための授業回数を素直に積み上げて提案していたので、多い生徒だと100コマぐらいになることも珍しくありませんでした。
もちろん、皆がみんな受講できる金額ではないので「自分で勉強する単元と、塾で勉強する単元を決めよう」と言って、授業回数を変えていきました。
教室長の中には、100コマなんて無理だから60コマ、40コマ、20コマの提案表をあらかじめ作成しておく方も居ました。
60コマで提案して「うちはそんなに費用が出せない」と言った時に、すぐに40コマの提案書を見せられたらどんな気分になりますか?
「最初に出した60コマって何だったの?」となりませんか?
ですから、本来であれば
教室長「(必要な理由をきちんと説明したうえで)お子さんに必要な勉強時間は100コマです」
保護者「必要なことはわかったのですが、予算的に厳しいです…」
教室長「そうすれば、塾で勉強するものと自分で勉強するものを決めましょう」
そして、生徒と相談しながら受講単元を決め、再提案という流れがベストです。
本当に生徒の事を考えているのであれば、自分で考えた提案を、すぐに違うものに変えたりはしないです。
色々な思いがあって教室長は動くのでしょうが、生徒・保護者に真っすぐな教室長が居る教室を探してください。
最後に
勉強はやったらやった分、結果は出やすいです。
勉強をすることで見えるものもあります。
とにかく将来後悔しないような選択をして下さい。
そのためにお子さんが通う塾を見極めて下さい。
責任者がどんな人間なのか見てください。
良い塾に巡り合えることを祈っております。
コメント